アフリカ・ボツワナでのサファリ旅行。
漠然と「生き生きとしている野生動物を見たい」という気持ちだけで決行した旅。でも、調べ始めてみると未知の場所すぎて、国や国立公園の種類も多く、違いすらよく分からない…。
「どんな場所なのか想像がつかない」「費用や持ちものは?」「本当に安全なの?」と、不安も絶えない旅でもありました。
この記事では、そんな状態から実際にボツワナを訪れ、サファリを体験した実体験をもとに、旅の基本情報や費用、持ちもの、そして現地で感じたことをまとめました。
基本情報
ボツワナはアフリカの中でも治安の良い国で、アフリカデビューの国としても安心感高め。
ビザの申請や接種義務ワクチンなど特別に事前準備することもなく、「行こう!」と思ったら比較的すんなりと行ける国でした。
主要空港
- オカバンゴ・デルタ:マウン国際空港(Maun International Airport)
- チョベ国立公園:カサネ(Kasane)
ボツワナの主要空港は2か所。旅行エージェントおすすめの航空会社はシンガポールエアライン。
「マウン空港へお昼頃に到着し、乗り継ぎが良くて午後のアクティビティに参加できる可能性がある」とアドバイスもらっていたので、シンガポール経由でヨハネスブルグ→マウンへ行きました。
マウンからオカバンゴ・デルタ、モレミ動物保護区内へは小型飛行機(セスナ機)で移動。
セスナ機は同じ方向へ行く人たちが乗り合い、バスの様に数カ所を経由する事が多いそうです。
ここからが結構ざっくりとしたスケジュール。旅行エージェントから渡された日程表も「~くらい、~ごろ」といった書き方がされています。
フライト番号を渡される事も無く通された待合室には、スケジュールボードも無く、呼び出しスタイル。名前を呼ばれたら出発。
チェックイン時間はあるけれど、いつ呼ばれるかわかんらない中みんな待っているので、戸惑っている人が多かった印象。
私も名前を呼ばれたのが旅程に載っている予定時刻の1時間後ぐらいでした。日本人の習慣からするとそわそわが止まりませんでしたが、乗ったらあっという間。20分くらいでガイドさんの待つ保護区内の飛行場に着きました。
ベストシーズン
ボツワナには雨季(夏)と乾季(冬)があります。
- ベストシーズンは乾季(5月〜9月)
水場が限られるので川など同じ水辺に色々な動物たちが集まりやすく、また草木も枯れ気味で視界が良くなり動物たちも見つけやすいのが特徴。
朝晩は冬の防寒着が必要なくらい寒いですが日中は30℃にいかずとても過ごしやすく、40℃の日本から行ったのでちょっとした避暑地でした。
- 雨季(11月~3月)の楽しみ
ヌーやシマウマ、オリックスといった草食動物たちが群れをなして移動したり、出産・子育て時期にあたる事も多いので、それらを狙ったライオンなど肉食動物たちのダイナミックなハンティングが見やすいのが特徴。
ローシーズンになるため、ロッジの宿泊費を抑えたいなら雨季がおすすめ◎
2泊3日・旅費
サファリ旅行で2泊3日は圧倒的に短く、数週間をかけて色々な保護区や国立公園を周遊することが多いようです。
サファリドライブで一緒のグループになった方たちは、2泊で次の場所へ移動するのがほとんどだったので、1か所の滞在と考えると2泊はちょうどよかったのかも。
旅行サイトのオプションツアーなどもありますが、私は特定の場所に行きたいのではなく「野生動物の見れる快適なホテルに泊まってのんびり過ごしたい」が目的だったのでSNSで見かけて、問い合わせの対応が丁寧だった”GREEN WALK TRAVEL”にお願いしました。
- マウンークワイ 往復航空費
- 2泊/ラグジュアリールーム
- 1日2回(朝・夕)/アクティビティ
- アクティビティのプロフェッショナルガイド
- ランドリーサービス
- ロッジークワイ空港の送迎
上記全てを旅行エージェントが手配してくれて、飲食も料金に含まれるオールインクルーシブロッジ「Saguni Safari Lodge」に9月始め、2泊3日の滞在で約48万円でした。
現地で必要なお金
ロッジではお土産屋さんも無く、本当に滞在するだけ。
滞在費などはすべて旅行エージェントへ前払いしていたので、現地で必要なお金はチップ用の現金のみ。お土産もマウンでは買わずに、南アフリカ・ヨハネスブルグ空港でカードを利用して購入しました。
チップの目安
- グループサファリガイド BWP250/日
- 枕銭 BWP10/日
- ホテルスタッフ全体 BWP50/件
- モコロボート・ポーラー BWP100/回
チップはアメリカドル(USD)よりもボツワナプラ(BWP)で用意するのが現地の方も助かるそうです。日本円からボツワナプラへ直に換金が出来ないので、出国前にアメリカドルの用意をして、ヨハネスブルグでボツワナプラに換金しました。
持ちものリスト
ボツワナ・サファリの持ち物リスト
服装
- 長ズボン、長そで
- ハイカットシューズ、長めの靴下
朝晩と昼で温度差が大きいため温度調節にしやすい服装で、動物たちを刺激しないアースカラー(茶、緑、クリーム色)を用意していきました。あとは、虫刺され対策に長めの靴下。
地面が砂地なので保護区や公園内のロッジに泊まるのなら、ハイキングシューズのようなハイカットがおすすめ◎
- ダウンジャケット
9月初めに行ったボツワナの朝は、普通に冬でした。
ユニクロのウルトラライトジャケットの様にフードがなく、コンパクトになるダウンジャケットをもって行き、その上にアウトドアジャケットを羽織りました。
- 着がえ
日用品
- 虫よけ&日焼け止めクリーム
- 歯みがきセット
必要だったもの
過ごしながら必要だと感じたもの。
- 鼻クリーム
- スリッパ
毎日水拭きをしてくれて、お部屋はきれいなのですが、サファリへ行った靴で部屋の中をウロウロするので、お風呂の後に履く用に「使い捨てのスリッパを持って行けばよかったー」とだいぶ後悔しました。
ゲームドライブ中の砂ぼこりや乾燥でとにかく髪の毛や鼻の中がごわごわ。鼻をかむと血が混ざるくらい…鼻の中に塗るクリームも必須だと感じました。
実体験|サファリ体験ハイライト
ゲームドライブ
- 早朝のサファリへ出発
朝6時半に防寒具を着込み、朝ごはんを食べて薄暗いうちに出発します。
TOYOTAのトラックに乗ってサファリへ向かう道のりは、デコボコで車がグワングワン傾いたり跳ねたりと、アドベンチャー感満載!日本ではなかなか体験できない道でした。
薄暗く静かな中に響くハイエナの鳴き声はちょっと怖さもありつつ、大自然を感じる幻想的な雰囲気でした。
- ビッグファイブとの出会い
9月はまさにベストシーズンで多くの動物たちに会うことができました。
ビッグファイブと言われるライオン、ヒョウ、ゾウ、サイ、バッファローのうち、ガイドさんでさえ滅多に会えない「ヒョウ」にも遭遇。食事中で鼻息や咀嚼音が聞こえるくらい近くで見られました。
サイを見れなかったのが心残りではあるものの、見たい動物は遠慮なくガイドに伝えるのが大事だと学びました。ガイドさん同士、無線で情報をやり取りしているらしく一生懸命探してくれます。
- 休憩タイム
ツアーの合間には休憩があり、コーヒーやビスケット、ペットボトルの飲み物が振舞われます。ちなみに、この頃には髪の毛は砂ぼこりですでに、ごわごわです。
ボートサファリ
オカバンゴデルタで行われるボートサファリ(モコロボート)は、静かさの中にカバやゾウといった大きな動物の迫力もあって陸上からのゲームドライブとは異なる楽しさを感じました。
- 伝統的なカヌー「モコロ」体験
エンジンがない伝統的なカヌー「モコロ」(実際には木製でなくプラスチック製のもの)に乗り、ガイドが長い棒を器用に操り、水草の間を静かに進みます。
- 水辺の動物たち
ロッジの部屋でも夜中ずっと聞こえるカバの鳴き声と水しぶきの音。モコロボートの体験では、カバの大ジャンプを目の前で見て、やっと水しぶきの音の謎も解けました。
しばらくすると仲間らしきカバのご一行もトプントプンと入水。ボスがこちらをジーっと見つめちょっと威嚇してきたため、引き返すというスリルある場面もありました。
その先を進んだグループはワニにも遭遇することが出来たそうです。
ゲームドライブとは違い、モコロボートはポーター(ガイド)と物理的にも距離が近く先導しながら沢山の知識を教えてもらう事が出来たのが特に楽しかったです。
ロッジ滞在
私が滞在したロッジ(Saguni Safari Lodge)はグレード4のカジュアルタイプ、1泊10万円以上でした。(最高級はグレード10)
ボツワナの国立公園や動物保護区の中にあるロッジやキャンプは、自然をこわさないための厳しいルールを守って作られてる「エコロッジ」であるようです。
そのため、建物は環境に負担をかけにくい形になっていて、私が泊ったロッジもガラスやコンクリートが使われず木材やテントで作られていました。
共有スペースはオカバンゴが目の前にあるオープンテラス
お部屋は大きなテント(ラグジュアリールーム)
朝のゲームドライブに行っている間にハウスメイドさんが、お掃除とセットアップをしてくれます。テントのロールアップを開けると網のネットで涼しい&明るい。
夜バージョンはこちら↑。ふかふかの毛布もすごく温かくて寝心地抜群◎電気も付くので、充電をしたり、備え付けのファン(扇風機)も使えて快適でした。
お湯の出るシャワーに、個室の水洗トイレもあります。シャワースペースは床が腐っている事もなく清潔で快適。
十分なラゲージスペース
洗面スペース
甘い香りの石けんたち。結構乾燥しているのでボディローションもあってとても助かりました。電気は使えますが太陽光発電の為、ドライヤーは禁止。
テント泊とはいえ、ホテル並みの快適さで大満足。ただ、食事はあまりよくなかったので食事に重きを置いていない人におすすめ。
大きなダイニングテーブルで宿泊者同士がグループになって一緒にいただく形式だったので、旅ならではの出会いがあったのは良かったです。他のロッジやキャンプ地から来た人たちが「ここは食事は最悪だけど、アクティビティは一番いい」と教えてくれました。
プールもありましたが、9月始めは泳ぐほど暖かい気候でもなかったためか、お手入れも力を入れていない時期のように感じました。
サファリの心得
ボツワナへの弾丸サファリ旅行を通して、野生の世界では「人間はお邪魔させてもらっている存在」だと痛感しました。
単に動物を見るだけで終わらない、自然の知恵や、スムーズな旅を実現するための「サファリの心得」を私なりにまとめました。
- 見たい動物はガイドに遠慮なくリクエストすべし!
ロッジに到着したその日に、ガイドさんは一番最初に「好きな動物はなにか、一番見たい動物は何か」を確認してくれます。
思い当たる動物を言った結果、私は見たい動物をほとんど見ることができました。
- 自然界への「謙虚さ」を忘れるべからず
サファリ体験で感じたのは、動物保護区内の環境は完全に動物中心であり、動物たちには彼らの「人生がある」ということ。
ガイドさんが何度も「私たち人間よりも動物たちの方が強い」と言っていたように、人間はあくまでもお邪魔させてもらっている存在であり、安全に暮らすには謙虚さが必要だと感じました。
サファリを快適に楽しむための準備と工夫
- 長距離移動は「寝る」ことを意識!
日本からは丸一日の移動になるアフリカ旅行。飛行機の中では寝て過ごすことを意識したおかげで、疲労感や時差ボケを少なくすることができました。
機内ではコンタクトを外し、スキンケアをしてリラックス。普段通りの睡眠時間を目指すことで現地でも快調に過ごせます。
- 砂ぼこり対策とアナログ装備が必須
乾季の終盤だったこともあり、現地は乾燥していて砂ぼこりがすごかったため、サングラスは必須。朝6時半のゲームドライブでは防寒具が必要ですし、休憩時にはすでに髪の毛が砂ぼこりで「ごわごわ」になる覚悟も必要です。
また、モバイルバッテリーの充電速度が遅いなどのリスクも考え、アナログの強さを実感した私としては、英語表記の航空券(Eチケット)の控えや、日程表を印刷した紙のメモがとにかく大活躍しました。
- チップは「去り際」にスマートに!
チップの渡し方一つでせっかくの楽しかった思い出が台無しになることもあるので要注意です。
私が空港でガイドさんに渡した際、微妙な空気が流れてしまった失敗経験から周りを観察して「去り際にさりげなくお礼を伝えて渡す」のがスマートだと学びました。
- お土産は検疫情報をチェック!
お土産選びに迷わないためにも、検疫のOK/NGを事前に知っておく。
特に肉製品や動物由来製品のほとんどは日本へ持ち込めません。ボツワナ産のビーフジャーキーは諦めましたが、製茶(ルイボスティなど)やドライフルーツ(ドライパイナップルなど)は、検疫のチェックを受けなくても持ち込み可能だったみたい。
リサーチ不足でちょっと後悔。
まとめ
漠然と「アフリカで野生動物を見てみたい」という気持ちと、「できれば快適な環境で、のんびり過ごしたい」という相反する願い。その両方を叶えてくれたのが、今回の我慢をしないボツワナ・サファリでした。
飛行機を待つ時間や長い移動中は、ラウンジを利用して読書をしながらゆっくり過ごすことができ、普段なかなか確保できない贅沢な時間に。
現地では、想像以上にたくさんの野生動物たちの生活を見ることもできました。
物音に敏感に反応する姿や、時にこちらを威嚇するような行動に緊張する瞬間もあり、人間はあくまで「お邪魔させてもらっている側」なのだと、何度も実感。
なにより近代的で快適な生活ではなく、不自由がありながらも大自然の営みを守ってくれている政府や現地の人たちに感謝をする旅でした。
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