新潟県長岡市の栃尾(とちお)へ、約10年ぶりのおさんぽに行ってきました。
上杉謙信ゆかりの町・栃尾は、雁木通り(がんぎどおり)が続く商店街と、歴史を感じる神社仏閣が点在する、まち歩きが楽しいエリア。この記事では、実際にトチオーレを起点にした栃尾の2時間おさんぽコースと、見どころをまとめます。
栃尾ってどんなところ?

新潟市から車で約1時間30分。山に囲まれた栃尾は名物の「あぶらげ(油揚げ)」と、諸橋酒造の日本酒「越乃景虎」で知られる町です。(10年前に初めて来たときは、景虎を求めてやって来ました)
2006年に長岡市と合併し、現在は「長岡市栃尾地域」となっています。長岡市街地から向かうと、より自然豊かな山あいを見ながらドライブすることができます。
冬の積雪に備えた雁木の歩道がずらーっと続く商店街は、歴史の面影を感じるまちなみが魅力で、のんびり散策を楽しむのにもぴったりでした。また、日陰にもなって涼しかったです。
また、昔は絹織物の産地としても栄えていて、栃尾紬の技術から生まれた「栃尾てまり」は今でも街を象徴するアイコンになっています。雪国ならではの暮らしの知恵と文化があちこちにあり、1日では回り切れない魅力的なところでした。
車でのアクセス
関越自動車道「長岡IC」から国道351号を通ると、約50分。
山越えをするので、長いトンネルやカーブの多い道で少しドキドキしました。途中「杜々の森(とどのもり)名水公園」の入口や、橋には秋葉三尺坊大権現?(気になってグーグルマップのストリートビューで確認したら、狐の上に立ってるような感じでした…)が飾られていたりと、面白い道でした。
駐車場
栃尾さんぽの拠点には、トチオーレ(栃尾地域交流拠点施設)の駐車場を利用しました。商店街をぐるっと歩くのにアクセスばっちりです。
栃尾おさんぽ2時間コース

ぐるっと一周できるコンパクトなまち歩き。気になる路地に入りつつ、ゆっくり歩いて2時間半しないくらいでした。
雁木の続く、谷内商店街へ

栃尾といえば、雁木(がんぎ)。通りに面した個人宅が「おもいやり」で軒を伸ばして作った木造の歩道で、雪が降っても歩道が確保される、雪国の知恵らしいです。
写真のような木造の看板がいたるところにあり、裏には街の豆知識がたくさん書いてありました。歩きながらふむふむ学べます。
狭いながらも雁木の下が歩道になっていることで、子連れでも安心して歩けて、おさんぽしやすかったです。
同じ長岡市内の与板にも雁木通りが残っていますが、栃尾はスケール感が圧倒的。商店街の長さに、かつての賑わいが伝わってきます。
手打ち蕎麦ランチ
日曜日だったからなのか、商店街のお店がことごとくお休みで焦りましたが、無事にランチにありつけました。

とちお商工プラザ「とちパル」内にあった手打ちお蕎麦屋さん。

栃尾にちなんでそうな、温かいお蕎麦を頼んでみました。(読みなれない漢字や言葉が多くて、この時点ではちんぷんかんぷん。あとでちゃんと理解できます)

見るからに辛そうなお蕎麦で、辛かったですが美味。ぼそっと、もそっとした麺が乾麺では味わえない歯ごたえやうま味があり、パクパク食べられました。
▶ 秋葉門前手打ち蕎麦 とちパル食堂
住所:長岡市谷内2-5-9
電話:0258-53-5104
営業:11:00~14:30
休み:火曜定
(お店情報は、栃尾観光協会サイトより引用)
常安寺
とちパルの裏にあった大きなお寺。

門前にはお不動さまがいて、柄杓もあったので、手を洗ってからお寺の中へ入りました。

実はこの石鉢の中にお金も入っていて、どのような使い方が正解なのかまだまだ分からないことがいっぱいで、新鮮。
本堂の前には大きな香炉。賽銭を入れてお線香を立てさせてもらいました。鉢の下では鬼が鈍い顔をして支えていて、やっぱり寺院は美術鑑賞としても面白いスポットでわくわくします。
そして、本堂の左には長ーい階段。

上ってみたら、秋葉神社と公園が広がっていました。上杉謙信公の像も奥に発見。
秋葉公園と、上杉謙信像
階段を上った正面にでーんと「秋葉神社」。ご挨拶をして、鑑賞タイム。

お面が印象的。

不謹慎かもしれませんが、パウが最高にかわいいお気に入りのショット。

長岡市指定有形文化財 秋葉神社算額
所有 常安寺当神社には、市内新山の数学者諏佐嘉右ェ門、嘉継とその弟子によって研究された、非常に珍しい和算の額が一面奉納されています。
和算は、江戸時代、日本で独自に発達した数学で、当時その研究は、天文学的な高等数学にも及び、測量技術などに生かされていました。
この算額(同形の複製品)には、平面や球体の総積から各図形の辺の長さと扇状の弧や径を求める三問の問答が表わされております。
嘉右ェ門は、父長山(医師俳人)母卯香(画家)の長男として医師の傍ら、数学者としても活躍しました。明治二十六年に奉納された算額は、損傷を防ぐため別に保管されています。平成元年五月二十五日
建立 長岡市教育委員会
あとで調べてみたら「江戸時代、日本では独自に数学が発展し、神社やお寺に数学の問題や解法を書いた木の額(算額)を奉納する文化があった」とのこと。
長岡の悠久山公園にある、お城の資料館(長岡市郷土資料館)へ行った時には”学問の街”というような表現がされていたのですが、漢学の里(諸橋轍次記念館)があったり、こういう背景もあったのかなぁと感じたりもしました。
そして絶対ちんぷんかんぷんだけど、「算額」見てみたい。

秋葉公園は、芝生が広がっている公園で、周りにポツポツ、お食事処があります。

夏を中心におまつりもあるようです。あ、お蕎麦のメニューにあった「火生三昧」の由来になった「火祭り」もあります!

秋葉の火祭り
火災を防ぐ、火伏せの神として全国に信者を持つ秋葉三尺坊大権現のお祭りです。
秋葉三尺坊周国(かねくに)の遺徳たたえ、命日の夜に開かれます。秋葉信仰の祖・三尺坊は信州に生まれ、諸国を修行ののち、岩野蔵王(岩野新田あたり)に至り、この地での不動明王三昧の荒行の末、神通力を得たと言われています。
秋葉の火祭りでは、ほら貝の音とともに祭りが始まり、境内に張られた結界中央の祭壇に大きな火が焚かれ、闇夜に燃え盛る紅蓮の炎が、見物客を幻想の世界へと誘います。その後、無病息災・家内安全を願い火渡りが始まります。

おぉ!算額は社殿内にあったのか。挨拶をしたときに中を覗いたんだけど、無知故に全然気が付かなかった…リベンジしなくっちゃ。
そして、カラスなのか天狗なのか悩んでいたものは「秋葉三尺坊大権現(あきはさんじゃくぼうだいごんげん)」という神さまでした。

上杉謙信公の銅像、結構おおきいです。1965年(昭和40年)に建てられたもので、右手に軍配、左手に数珠を持ち、栃尾城跡を背に座っているのだそうです。
秋葉公園の駐車場(秋葉公園下大野口駐車場)からは、謙信が14歳で旗揚げをした栃尾城へ登れるハイキングコースもあります。
こどももひとしきりブランコで遊び終わったので、雁木通りのお散歩を再開。
大町/新町雁木通り
秋葉公園の階段を下り、常安寺からとちパルを抜けて雁木通りへ。途中、ずっと気になっていたのが建物の下を流れる水路。

この水路、どこへ行くのだろうと思っていたら商店街を過ぎたあたりで「西谷川」へ合流していました。

石のブロック塀がまるでお堀のような雰囲気です。川を渡って歩くときも、雁木の下が歩道のようになっていたので、狭い道でしたが、子連れでも一列になって安心して歩けました。

素敵な佇まいの通りになってきたころ、酒蔵・越銘醸(こしめいじょう)の外壁に”ユネスコ無形文化遺産登録になったよ”というポスターを発見。ある特定の酒蔵の話ではなく、麹菌を使った「伝統的な酒造り」が登録されたようです。
参考記事:国税庁サイト
ぽこぽこ先を歩いていると、郵便受けのようなポストを発見。

集荷時間の記載もあって現役。後ろに写っている貫禄のある建物は「丹甚呉服店」さんで、ひときわ大きかったです。窓や佇まいが素敵なのですが、写真にうまく撮れませんでした。
(写真で見るより、肉眼で見る方がきっと素敵。なのでぜひ。)
この散歩の裏テーマは、春の新潟名物「笹団子が食べたいぞ!」なのですが、日曜日だったからか、和菓子屋さん含めほとんどのお店がことごとく閉まっている…
そんな中見つけたのが「もちや小啓」。残念ながら笹団子はありませんでしたが、草餅と桜餅をゲット。ほろ苦い草餅はもっちもち、しかもあんこは甘すぎず罪悪感なし。


桜餅は逆にしっかり甘じょっぱくて濃い味、こちらも満足感たっぷり。
▶ もちや小啓
住所:新潟県長岡市栃尾新町1-12
電話:0258-52-3556
営業:8:00~18:00
休み:水曜定
(お店情報は、食べログサイトより引用)
笹団子はどのお店も事前連絡をしてオーダーが必要なようです。「道の駅に行ったらあるかもしれないよ」と店主さんに教えてもらったのですが、時間的に寄らずに断念しました。
新町雁木通り→トチオーレ

もちやさんを過ぎた角を曲がって、橋を渡ると栃尾地域交流拠点施設「トチオーレ」に到着。2022年5月にオープンしたとてもきれいな施設でした。
図書館は休館日でしたが、館内は明るく、外には遊具もあり、たくさんの人が集まっていました。
その他の、栃尾名物
今回のお散歩では触れなかったけれど、ほかにも「栃尾といったらこれ!」というのを紹介します。
栃尾あぶらげ

通常の油揚げの約3倍(長さ20cm・幅6cm・厚さ3cm)というジャンボサイズ。厚揚げとは完全に全く違う、ちゃんと油揚げです。長岡市内のスーパーでも売っていました。
栃尾てまり


トチオーレに壁も、マンホール蓋も「栃尾てまり」。

かつて「栃尾縮(ちぢみ)」「栃尾紬(つむぎ)」といった伝統織物を作っていて、絹織物の産地でもある、栃尾。織物に使われなかった繭や、機織りの残り糸を使って作られたのが「手毬(てまり)」。
子どもの遊び道具だったほかに、縁起物の贈り物としての用途もあったようです。また、毎年「てまりまつり」が開催されていて、展示だけじゃなくて、製作体験もできるらしいので行ってみたいです。(今年は2026年6月6・7日の開催。タイミングが合わず行けませんでした。残念)
まとめ
今回のおさんぽは「笹団子」が目当てでしたが、いつの間にか上杉謙信ゆかりの場所や秋葉信仰(秋葉三尺坊大権現)、和算など文化に触れるお散歩になっていました。名前は知っているけれど、いまいちピンと来ていなかった「上杉謙信」のことを、帰宅後に勉強。

謙信とお城や仏教とのつながりなど、ざっくり知ることができました。読みながら、お散歩の景色を思い出したり、地域の位置をイメージしたりしながら読めたので、読書としても面白い時間に。(銅像がどうして軍配を持っているのかも、理解できました)
ほとんどの商店は閉まっていて、目当ての笹団子もゲットできませんでしたが、知らなかったことをたくさん知れる、有意義なおさんぽになりました。
雁木通りやその周りには古い建物が残っていて、金沢のようなタイムスリップ感が味わえます。地方のお散歩コースだと歩道がないところも多いですが、狭いながらも道路との境目がはっきりしている雁木の下は、子連れでも安心。横並びで歩きにくい場所もあるので、手を放しても安心して歩ける小学生くらいからが良いかもしれません。
山越えのドキドキを乗り越えた先に、雪国の文化と歴史が残る、ゆっくりした時間が流れていました。



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